4000rpm-0km/h

チェロキーの計器


撮影を終え機材を積み込み、新宿クリエイトに向かってチェロキーを走らせている時、ふとスピードメーターに目をやると、針が全く振れてなく0km/hを指したまま微動だにしていなかった。これくらいは故障のうちには入らない。タコメーターや油圧計、水温計が動かないと非常に困るが、スピードメーターなんてもともと付いていなくても別に困らない。しかし困ったことに来月には車検がやってくる。いくら車検場で自分は最大限に安全に気を遣っていて車内には発煙筒どころか消化器や高枝切り鋏も装備している、と声高に主張してもスピードメーターが動かない車は車検に通らない、う〜ん…困った。
ユリゲラーが超能力で壊れた時計を治していたことが何故か頭によぎった。「運転しながら車に念を送ろう」スピードメーターの針がするすると動く様子をイメージしながら夕方の山手通りを自宅に向かってスロットルペダルを踏み込んだその時、ビヨン!と0km/hを指していた針が一気に動いて60km/hを指した。「何だか知らないけど治ったぞ」
別に念を送ったから治ったわけではなくどこかに引っかかっていたメーターケーブルが外れて正常に回るようになっただけのことだとは思うけど何となくチェロキーと心が通じたような気がした瞬間だった。