人形町で寿司を食う

き寿司のきは七みっつ


銀座一丁目で編プロを切り盛りしているT山さんに招待され人形町に向かう。半蔵門線水天宮前駅で降りると雨模様。濡れたアスファルトに街のイルミネーションが映り込んでいる中妊娠しているわけでもないのに水天宮にお参り、約束の時間まで少しあるので人形町を散策。練馬住まいの僕にはなじみのない人形町は寿司屋、洋食屋、牛鍋屋、人形焼き屋と並び文明開化の匂いがする、八百屋の大根にはマジックで直接値段が書いてあった。このラフな感じは結構好みだ。
き寿司の暖簾をくぐるとT山さんはすでに食う気満々でカウンターの端っこに陣取っていた、親方を始めツケ場にいる全員の仕事が見れる特等席だ。スタイリストのあっちゃん到着でまずツマミから始まる。血生臭さの全くない透き通った鰹、小振りなのに肉厚でジューシーな鰺、しっかりと締められた鱚、どれも旨い、思わず無口になる。握りに移行、いい具合に熟成された鮪、塩をしっかりと締められた小鰭、素敵な塩梅の鰈、しみじみ旨いよ。仕込みにもの凄い労力がいるだろうに大変そうな素振りを全く見せずにシャンとした姿勢で簡単そうに握る親方の姿は本当に美しかった。水面から上の優雅な姿しか見せない白鳥の様だね。