浦和レッズ×東京ヴェルディ1969…ポンテの放ったボールは緩やかに美しく弧を描いた

ポンテ



終始押されていた、ヴェルディの組織的な守備にアレックスの突破やポンテのパス、アレックスの突破をはね返され小林のおしゃれなヒールループで同点にされて勢いは完全にヴェルディだった。マリッチが薄い角度からの難しい反転シュートを決めて勝ち越しても風は相変わらずヴェルディに吹いていた。刺さるような緊張感の中時間はゆっくりと過ぎていった。それが…
左45度にいたポンテがダイレクトでふわっと浮かせたボールが緩やかにゴールの右隅に向かっていく、まるで時間が止まったかのように誰も触れることなくネットに吸い込まれていった。値千金のだめ押しゴールはヴェルディを崩壊させるのには十分すぎる破壊力で、心を折られたヴェルディの選手達は終了のホイッスルまで息を吹き返すことがなかった。たった一つの、一瞬のプレイがなにもかも変えてしまう、心一つで世界が変わる、サッカーの厳しさと奥深さと不思議さと気まぐれさを感じたよ。